春望 四月一四日 「夏の雨」
今日の朝は雨の音はせず静かな光で目が覚めた。
早朝に今日発送予定のパンを焼き上げ少し仮眠をとっていた。
二日間雨が降り続いた後の光にあたる植物たちの生命力はすごくて、葉一枚にしても葉脈から鼓動を感じるほどだ。
人も少し似ている。
春を急かすかのような雨だった。
季節は待ってくれない。
そんな時のパンはすごく不安定だ。
焼き上がったパンもまたその様相を物語っていた。
そんなパンもいい。
何回も送らせていただいている方には今を届けたい。
今だけのパンを。
一回パンを焼く度に理想に近づくようで遠くに行く。
「光」は当初一つのセットで考えていたけれど、続くようなものにする予定だ。
それもコロナの一件が落ち着くまでのタイトルと内容になる。
光のようなものを。