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春望 二月一九日 「焦りと高揚」

毎日毎日部屋の物が少しずつ少なくなる。気持ちも軽やかになる。

正直2月に入った時はパンを焼かないといけない、そう思う気持ちが強くて能動的にパンが焼きたい、とは思えなかった。日記を書きはじめてからだろうか、早くパンを焼きたいと思うようになった。石臼を小麦用に目立ててもらう都合と23日に東京で予定が決まっていたのでその日まではいるしかない。焼きたい分もどかしさもあるけれどそれもまた必要だったんだ。

家電製品もほとんどなくなった部屋は気持ちがいい。自分がいたくなる空間はこういう空間なんだ、と妙に納得した。いたいと思う空間でパンを作る。そこも「光」を作るにあたって考えているところだ。少し中途半端だった厨房を整える。帰ったらそこから始めようと思う。

夕方に森に行く。1時間ほどお気に入りの場所で本を読んだ。それから学生の頃に働いていたバイト先で永遠の付け払いで夜ご飯をいただき帰宅。この日は自家製スープのラーメンが出てきた。というよりもお願いしたのだけれども。

朝焼き上げたパンデピスを梱包した。どんな風にテーブルに上るのか想像しながら眠ろう。その食卓に笑顔があればいいなぁ。

photo by 11ayaka3