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Author: makibino

しとしとという雨の音で目が覚める。風邪のない雨のの音は心地よい。休業中に寝かせていた種を昨日起こしたので様子を見にいく。 発酵力は弱そうだけれども何度か継なげば大丈夫だろう。昨日よりも少し水分を減らして種を継ないだ。これから乳酸菌を増やす工程に入っていく。「光」にはこの種を使ったパンが入るのだけれども酵母と乳酸菌のバランスが大切だ。個人的には今回は酸味を抑えたパンにしようと思っている。製粉したての粉の味を生かすためだ。 厨房の配置も大幅に変更した。一室は粉挽きに特化した部屋にした。これで製粉機の場所もゆったり確保できる。冷蔵庫も外の景色が見える部屋に移動したので気持ちがいい。最初からこの配置でよかったのではと思うけれどもなるべくしてこうなったのだろう。 朝継ないだ種を夜にまた継ごうと確認したけれどもまだ発酵力が弱い。季節柄温度が低いのでその影響も受けているのだろう。明日の朝まで様子を見ることにする。 冷蔵庫を運ぶのも、持ってきた製粉機を車から下ろすのも大変な作業で近くの大工さんに手伝っていただいた。快く引き受けていただき感謝。炉内を掃除するための木の棒が欲しいと相談するとすぐに加工して持ってきてくれた。 これもまた光だ。 力を使うとすこぶるお腹が減る。すき家で牛丼定食を夜中に食べて就寝。

朝目が覚める。一瞬ここがどこだかわからなかった。久々の家での目覚め。特有の凛とした寒さが顔に触れる感覚で眠気が覚める。 車に積んでいた荷物を下ろす。コーヒーでも飲もうと思い厨房に行く。出た時と変わらない匂いや景色がそこにはあった。時間が止まってしまっているかのような。またここでの時間を今日から紡いでいく。 半年以上火をくべずに放置してしまった薪窯に久々に火を焚べた。少し緊張と不安と高揚の中、無事着火。思った以上にしっかり燃えてくれた。特に以上もない。またパンが焼ける。よかった。 そこから何時間か燃やした。見つめる炎の揺らぎにいろいろが思い出された。 それでも炎の光は暖かで優しい。 またここから新しい船出だ。 オールは託されている。あとは漕ぐだけだ。

福岡で車中泊。ここに来て車中泊も慣れて来て寝るコツを見つけた。 帰りに岡山を通過するので一昨日行けなかったところに行こう。 そこは小高い山の上にあるカフェだ。天気もよく最高の景色が広がっていた。北村さんとは以前に少しメッセージでやり取りさせていただいたのでお話できればと思っていたけれどタイミングよくお会いできた。 新しく始める離れにも案内していただきいいお話をゆっくりさせてもらえた。 その後お腹も空いたのでもう一軒行きたかったお店に。車なのでお酒が飲めないのが惜しい。前菜五種盛りとパスタ、それにサワーチェリーのケーキをいただいた。ラベンダー風味のレモンシロップを炭酸で割って飲んだ。これは毎日飲める。 かなりゆっくりさせてもらって22時に岡山を経つ。 帰りは眠い目をこすりながらなんとか家に辿り着いた。 そのまま布団だけ引いて倒れ込むように就寝。

車の中で目が覚める。一瞬ここはどこだ、そう思った。 このまま丹波に帰ろうと思っていたが、岡山にも行きたい。一文字うどんのたけおさんに預けた小麦もある、キノシタショウテンの木下さんにも相談したいことがある。このまま岡山まで行こう。 晴れの国岡山も珍しく雨だ。一文字うどんでお腹も空いたのでシラサギ小麦のうどんと豆腐天、かき揚げ天、昆布おにぎりをお盆に載せてうどんができるのを待つ。 そうしていると声をかけられた。名刀味噌の隆平さんがファミリーで来ていた。せっかくなのでご一緒させてもらった。人と食べるご飯はそれだけで最高の味付けだ。 アンドブレッドさんに行くということで自分もご一緒させていただくことにした。 そこでもまた新しい出会いもあり全て円で繋がっていると思った。 キノシタショウテンに行き木下さんと久しぶりに打ち合わせ。京都への卸し再開を快く承諾してくれた。感謝。それ以外にもキノシタショウテンの今後の話なども聞かせていただき勉強になる時間だった。 そんな今日は晴れの国岡山にしては珍しい、一日中雨の岡山。帰りにbelkに寄ろうと思ったけれど時間の都合で近くまで行ったけれど断念。また次回に。 車を運転してやっと帰丹。丹波実家に足を運ぶ。どうやら家を離れから母屋に移動して忙しくしているようだ。丁度新しいもの薪ストーブの着火のタイミングで到着。 綺麗に燃えている。火はやはり美しい。そんな火を見ているうちに疲れた眠気が一気に押し寄せてきた。 薪ストーブのある部屋で眠れる。久々に平面での就寝は格別だ。有難い。関連記事

朝起きるとすぐに外に飛び出した。大きく深呼吸する。肺の中に早朝の凛と冷えた空気が入り込み目が覚める。 この空が最後に見れてよかった。同時に日記のタイトルもすんなりと決まった。 こちらで済ませておく必要のある手続きを済ませて荷物整理をしているとお昼前になっていた。馴染みのカレー屋さんでインドカレーを食べる。激辛だ。 いろいろな気持ちが交差するけれど、素直に今はパンが焼きたい。円の上に来たらしい。高速に乗り帰路に着く。少し長い車旅の始まりだ。 丁度静岡SAで日記を書いている。 いろいろあるけれど全てに意味があって少しでも光が差し込んでいれば大丈夫。そう思えた期間だった。その光を見失わないように精一杯生きよう。 旅はこれからだ。

強い光で目が覚める。今日はどうやら日が出ているようだ。ここ最近目覚めた時の頭の重さでその日一日が決まるという感じだったので少し起きるのが怖かったが、今日は調子がいいようだ。 帰りは車での長旅になるので大事をとってもう一日ゆっくりしよう。 朝のコーヒーが美味しく飲めた。よかった。調子は良くなっているらしい。食事もほどほどしか食べれたいなかったのでお腹も空いてきた。 久々に日の光を朝からたっぷり浴びて洗濯と掃除ができた。明日でこの家ともお別れだ。ここ半年は5年ぐらいの長い歳月に感じた。一つ言えることは全て物語の一端でかけがえのない時間だったということだ。物語はこれからも続く。そう、続けるんだ。 夜は銭湯に行ってサウナで汗を流した。 お腹も空いたのでバイト先にチラッと顔を見せるといつもながらにご飯を作ってくれた。有難い。今日はジンジャーナポリタンだ。コロナ対策だそうだ。 明日が始まりだ。

朝、いつものように目が覚めた。今日は少し曇っているようだ。あまり光が差し込まない。昨日よりは怠さもなくなったがまだ熱はある。 病院で処方された薬を飲んで布団に潜る。こんなに長引くとは思わなかったけれども必要なデトックスなのだろうと言い聞かせる。 コーヒーも飲む気にならないのであっつい黒入り玄米茶を飲んだ。 午前中はひたすらに寝ていた。よくもまぁこんなに寝れるものだと我ながら感心してしまった。 午後、少しよくなったので布団から出る。車にある程度持って帰る荷物を積んだり書類整理したり、そう思っていると確定申告の期限が延びたことを知る。コロナとはとんと、遠いところにいた気がしていたけど結構近くまで来ているな、世も末か、いやそんなことはなくて、これも円の循環の一部に過ぎない。こういうタイミングもある。そう思って自分のことに勤しむ。それが僕のできる最善だ。 まだ身体も本調子じゃない、早めに寝よう。 就寝。

今日の朝は少し雲がかかっていてどんよりとしていた。昨日体調が良くならず早めに就寝したが昨日よりも気怠さがある。少し熱があるようだ。念のためすぐに病院に行ったがコロナウイルスではなかった。ひとまず安堵。午前中休めば午後からは動けるかなと思い久しぶりにひたすらに布団の中にいた。 今後の予定やパンの製造工程、事務的なことが頭の中でループしている。 夕方になると少し寝過ぎて腰も痛くなってきたので少し起きる。 できることを探した結果家での内職ぐらいだろうということでパインの繊維とスピンドルで糸を紡いでみることにした。 糸を紡いだことがあるだろうか。細い繊維をより合わせて捻り繋げていく。ひたすらにその繰り返しで糸はできる、少しずつ長く長く、そのスピードは人の目にも見えるゆっくりとした速度で、でも確実に長くしなやかに強くなっていく。 そうやって自分で初めて作った糸は不均一でいつも見ている糸とは全然違う。だからこそなんとも言えない趣があり見ていても飽きない。 そうこうしているといつの間にか日が落ちていた。 少し腹が減った。家には何もないのでバイト先にご飯を頂戴しに向かう。大好きな焼肉サラダが出てきた。有難い。 もういっそ大事をとって明日も休んで明後日帰ろう。 焦るな。

心地よい光で目が覚める。昨日の余韻が波紋のように残る。今日も天気はいい。帰るにはちょうどいい。 いつもどおり布団をたたみ、押し入れにしまって少し掃除をする。好きな音楽をかけてコーヒーを淹れる。 持って帰る書類をまとめて車に積んだ。思い出も一緒に。 馴染みのラーメン屋さんで中華そばと半チャーハンを食べた。店主さんとラーメンに使う返しの話で盛り上がる。試しに返しだけ飲ませてもらった。口に入れた瞬間のしょっぱさとは違い喉を過ぎた後からくるキリリとした辛さがこの味を作っているのか。 軽く挨拶を済ませて家の荷物をまとめる。また一度帰ってくるので全部ではない。そうこうしているとなんだか少し身体が怠く頭が重い。喉も少し痛い。コロナが拡大している中でこの症状はよくないな。今日は大事をとってすぐに布団に入ろう。休むのが1番だ。車での長旅になる。そのあとは怒涛の焼きが待っている。無理をしてはいけない。明日は念のために病院で検査してもらおう。 窓から聞こえる慣れ親しんだ電車が通る音が心地いい。 おやすみ。

この日のために自分は関東に残ったんだ。 目を閉じて流れる音に耳を傾ける。 この半年間の出来事が走馬灯のように頭をよぎる。不思議なことにその後に浮かんだイメージは今から20年以上も前、小学校に入りたての頃の記憶だ。 引越し前で今実家がある場所とは別の場所で別の学校に通っていた。小学1年の夏休みまでという短い期間だったけれど、あんなにも時間が長く感じたことは今でもあの期間だけだ。 全校生徒が100人ほどの学校だった。学校自体が大きかったし周りは森と田んぼに囲まれていてその頃はなんだか寂しいなぁと感じたこともあった。 家の前ももちろん森。森の道という僕が名付けた道があり(道なき道だけれど)そこを通って森の下にある学校に通っていた。 緑が生茂る季節にいたこともあり鳥や虫、風に揺れる木々の葉の音、雨が降れば葉にあたる雨の音が絶えない場所だった。 そのことは今となってはすごく尊いことだったんだ。 20年足らずだけれどもそういった自然の声はどうなっただろうか。それどころかそんな声に耳を傾ける時間をとれているだろうか。 今日ありがとうと言っただろうか。 今日空を見上げただろうか。 ふとそこにある木々や木の葉に耳を傾けただろうか。 小さい頃当たり前だったことがそうでなくなっていることが少し寂しくなったけれどもそれでも今日という日は進んでいて未来に向かっている。 そんなことを思いながら涙が流れた。 そして「光」に入るパンが一つ生まれた。頭の中で作っただけだからこれから現場での作業をする中で少し変わってくるとは思う。 自分のパン作りはシンプルでとても簡単だ。 混ぜて捏ねて、膨らませて、最後に薪火の力で焼き上げる。100年は続くだろう方法だ。 誰でもできる。だからこそその作られたものには作り手の人となりが出る。そこはかけがえのない大切な部分でAIやテクノロジーにはとって変わられない部分だと思っている。 素晴らしい音楽が聞けた。さぁ、丹波に帰ろう。 自分のパンを焼こう。