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春望 四月二六日 「大きな光へ」

家の前の最後の山桜が今日のにわか雨と共に次の季節へのバトンを渡していた。

クラウドファンディングのリターンを返しながら、種まきを兼ねたパンの発送も行い、その間に「光」の制作も行うのはかなりしんどい。

わかりやすくそういうタイミングは日記が書けない。

「光」は当初からかなり違う方向へと向かっている。

自分のために作っていた。自分の中で休業期間を消化するために。

だけれども、いざパンを焼き始めたらコロナがきた。そして緊急事態宣言が発令されて在宅の時間が増えた。

そんなタイミングで遅れていたクラウドファンディングのリターンが始まり、それはすごいタイミングでそんなこともあるかと思っていた。

「光」も1人で作る予定だった。

いまは4人で作っている。

自分のことを考えていたパン作りから届く人を想って作るものに変わり始めた。

関わってくれている人も休業期間がなければ出会ってなかったかもしれない人たちだ。

バラバラだと思っていたピースは案外と一つの絵を作ってくれている。

届いた場所のささやかな光がどんどん大きくなっていくようなものを作っている。

厨房から聞こえるハルカさんのミュートピアノの曲が心地いい。